Quinary - 第五紀

アンナプルナ街道


2019年10月から11月にかけてネパールを旅しました

アンナプルナもエベレストと同じようにトレッキング・ルートの踏破を目指すよりもアンナプルナが綺麗に見えるところまで行ければいいと思っていました
ところがポカラからでも見えるアンナプルナなのに、ABC(アンナプルナ・ベース・キャンプ)へのトレッキング・ルートでは最終地点であるABCまで行かなければ見えないこと、逆にABCから見える景色が絶景であることを知りABCまで登ることにしました

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アンナプルナ街道

アンナプルナ山系には今回歩いた内陣あるいはサンクチュアリ(聖域)とも呼ばれるABCを目指すルートのほかに、外陣またはサーキットと呼ばれる相応の経験と体力が求められる大回りルートや、比較的手軽に行けるマルディ・ヒマールへのルート等、多くのトレッキング・ルートがある

アンナプルナ・ベース・キャンプ(ABC) ☆☆☆☆☆

周囲を山々に囲まれた谷の最奥部にあるABCがトレッキングの最終地点でここから先は本格的なヒマラヤ登山の装備が必要
アンナプルナをはじめとしたヒマラヤの山々を仰ぎ見る荘厳な絶景が眼前に広がる
ABC到着と同時に雪が降り始め、今期の初積雪だったにもかかわらずわずか2時間ほどで20cm以上積もった
設備の整わないABCで閉じ込められるのではないかと不安になったが、実際には積もった雪も下山には問題なく、逆に少し下りた所では大雨だったようで低温下で雨に濡れてしまうほうがよほど危険だったと思われる

動画

アンナプルナT(8,091m)

マチャプチャレ(6,993m)

ガンダルバ・チュリ(6,248m)

アンナプルナV(7,555m)

タルプ・チュリ(5,663m)

タルケ・カング(7,193m)

ビフォー

アフター


ABCルートの景色 ☆☆☆

アンナプルナ自体はABCまで見ることができないものの、マチャプチャレ(写真2段目中、右)は随所からその美しい姿が見られる
EBC(エベレスト・ベース・キャンプ)ルート同様、歩道は整備され宿も1〜2時間の行程ごとにあるため食料や水を持ち運ぶ必要はない
アクセスのための道路が年々山奥まで開かれ便利になる反面、環境破壊も懸念されており特別管理エリアではペットボトルでの飲料の販売や薪の使用が禁止されている
水はフィルターろ過水を持参の水筒(下から持って来たペットボトルでも可)に詰め替え方式で買えるので問題ないが、薪ストーブが使えなくなって冬季のロッジはかなり冷えると言う
[参考:アクセス]
往路はポカラからガンドルク(GandrukまたはGandrung)へ、復路はマトキュ(MatkyuまたはMotkyu)からポカラへ、ともに乗り合いジープを利用した
2019年現在、車で入れるABCへの最短の登山口はマトキュ(MatkyuまたはMotkyu)、但しポカラから乗り合いがあるかどうかは不明
帰路はポカラからチャーターで客を乗せてきたと思われるジープがマトキュで待機しており乗り合いにも応じる
ガンドルクから北行して直接チョムロンに向かうルートは登山者も少なく道もわかりにくかったが、メインルートはよく整備されていて道迷いの心配や危険個所はない
ガンドルク(もしくはマトキュ)からなら健脚で高度に強い人であれば、ポカラを朝出てABCまで登り2泊、ABC1泊、下り1泊の4泊5日で往復可能

温泉 ☆☆☆

アンナプルナ山系では温泉が湧く場所が何か所かあり、ABCルートのジヌーもそのうちのひとつ
登山ルートからはずれて集落の北東側に降りた河原にいくつかの湯舟がある(有料、水着着用、シャンプー・石鹸使用可)

ポカラ

アンナプルナ連峰を望むネパール第2の都市
フェワ湖の東に広がる風光明媚な町で、湖岸はホテルやレストラン、旅行会社、土産物屋等が並ぶツーリスト・エリア
カトマンズのタメル地区ほどの集積度・品揃えではないが登山用品店も多く、シュラフやレイン・ウェア等はカトマンズよりも安価でレンタルできる

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街角


オールド・バザール ☆☆☆

ポカラのかつての中心街でありレンガ造りの大きな商家が残る


バラヒ寺院 ☆☆

フェワ湖に浮かぶヒンズー教の寺院、湖岸からボートで渡ることができ多くのネパール人でにぎわうがヒンズー教徒でなければ見どころは少ない

デヴィズ・フォール(パタレ・チャンゴ) ☆☆

フェワ湖から流れ出る川が刻んだ狭く深い渓谷、谷自体は深いが規模は小さい
正式名称はパタレ・チャンゴだが、過去にここに落ちて行方不明になった観光客の名前から現地でもデヴィズ・フォールと呼ばれている


グプテシュワール・マハーデブ洞窟 ☆☆

デヴィズ・フォールから大通りを隔てたところにある地下洞窟
らせん状の階段を降りていくとシヴァ神の祠がありその先に自然の洞窟が広がる
洞窟としてはそれほど大きなものではなくネパールの人々にとってはお参りの場所兼観光地といった感じ


チベット村 ☆☆

チベット動乱の際に逃れてきたチベット人の居留地だが、すでに別の場所に移った人も多いとのことで今は見るべきものは少ない


国際山岳博物館 ☆☆☆

広大な敷地に立つ瀟洒な博物館、展示エリアは外観から想像するよりずっと広い
田部井淳子、今西寿雄といった日本人登山家の装備品の展示もある

ナチュラル・ブリッジ ☆☆

国際山岳博物館から2kmほど南にある峡谷、セティ・ガンダキ川の流れが垂直の岩盤を貫通して流れているため橋のような地形となっている
デヴィズ・フォールよりもはるかに深いが、幅が狭すぎて観覧用のつり橋や展望所からでも見づらい

ポカラ博物館 ☆☆

ニュー・バザール近くにある民俗博物館
閉館間近に無理を言って入れてもらったためゆっくり展示を見ることはできなかったが整備された庭が美しかった

ホーム・ステイ ☆☆☆☆

カトマンズで知り合ったポカラ在住の日本人の紹介でホーム・ステイさせてもらった
ここShining Home Pokharaは障碍者雇用の場も兼ねてゲスト・ハウスやホーム・ステイを運営している
世話役の女性は日本で暮らした経験があり小学生の娘さんともども日本語を話す
ネパールの平均的水準からすれば相当に余裕のある家庭と思われるが、現地の人の普段の生活を垣間見ることのできる希少な機会だった